一般財団法人日本ヘルスケア協会(JAHI)
倫理委員会 第12回会合 議事要旨
開催日時:2021年6月24日(木)15:00~15:55
会場:虎ノ門・JAHI会議室B
出席委員:上原委員長、伊藤委員、新井委員、石下委員、万場委員(以上、WEB参加委員)
太田委員、大友委員(以上、会場参加委員)、(事務局)佐藤(外部委員を含めて委員7人が参加し、委員会は成立)
内容:
1.開会
2.議事
(1)日本ヘルスケア協会の動き
(2)議事
1)報告事項 「内閣官房『サンドボックス制度による野菜果物等の店頭POP表示に関する実証実験計画』の進捗について」
2)審議事項・新規申請「中小企業における健康経営の取り組みによる経営学的指標への影響(1)」
3)審議事項・新規申請「中小企業における健康経営の取り組みによる経営学的指標への影響(2)」
4) ディスカッション
3.次回の開催日程調整
4.閉会
配布資料
資料1 ニュースリリース№62
資料2 内閣官房『サンドボックス制度による野菜果物等の店頭
POP表示に関する実証実験計画』の進捗
資料3-1 「中小企業における健康経営の取り組みによる経営学的指標への影響(1)」審査申請書・研究計画書
資料3-2 「中小企業における健康経営の取り組みによる経営学的指標への影響(2)」審査申請書・研究計画書
議事要旨
1.本日は、予定通りWEB併用で開催。
2.事務局からニュースリリース№62に基づいて日本ヘルスケア協会の動きを
(1)野菜・果物等の店頭POP表示Pjt.は、ほぼ順調に進捗していること(実証店舗では、表示内容に関する来店客からの反応・
評価が続々と得られており、実験終了時点では大きな説得力となり得ること、オーガニックスーパー、農産物直売所、生鮮市場
など多種の業態で実験していること、一部の店舗で緊急事態宣言の影響による遅れが出ていること等)
(2)生活者・消費者向けムック本が7月初旬に刊行されること
(3)大阪万博への対応として、箕面市と連携した「共創チャレンジPjt.」が計画されていること
(4)他団体との連携を進めており、6月5日(土)には共催セミナー「野菜・果物を機能性(はたらき)で選ぶ」を開催し、
今秋には第2弾開催を計画していること
(5)例年9月初旬に開催している年次大会は会場の関係で開催が危ぶまれるため、今年は代わりに各部会・研究会の「活動発表会」
を聴講無料のウェビナーで発信することとし、6月一杯テーマ募集、7月収録の運びであること
(6)健康まちづくり部会が中野区役所ほか、区内の諸組織を巻き込んで始動すること等、に分けて報告した。
3.続いて、報告事項「内閣官房『サンドボックス制度による野菜果物等の店頭POP表示に関する実証実験計画』の進捗」に関して
まず委員長からの指示により、事務局から6月に主務大臣に提出される「認定新技術等実証計画の実施状況報告書」案に基づいて進捗
を報告。
(1)達成状況としては、「実証試験同意企業数:12社」、「実証試験計画店舗数:19店舗(うち既に開始は13店舗)」、「消費者
アンケート回収数:1店舗当たりほぼ30件」。(2)実施した新技術等実証の内容及び規制の特例措置の適用状況を、「準備段階」、
「実行段階」に分けて報告。「準備段階」に関しては、勉強会→POPの作成→保健所への連絡→売場での表示→消費者及び保健所から
の指摘を月末までにまとめて翌月末までに主務大臣に報告といった流れを、また「実行段階」に関しては、具体的事例(㈱タイヨー)
を挙げて、時系列に沿って具体的オペレーションを記載。POP表示をカラー写真で添えた。
以上の報告に対し、委員長から委員各位の意見を求め、委員長から、8月末の実験終了後、報告書を出す計画はあるのか、との質問が
あり、事務局からは、実験終了後3か月以内に報告書の提出が義務付けられているが、それとは別に、実務的な「野菜・果物等POP表示
ガイドブック」を作成して普及を図る予定である旨回答した。
また、今秋の「JAHI活動発表会」の一コマとして、この活動の報告動画を作る予定がある旨回答した。
4.次に、審議事項として、「中小企業における健康経営の取り組みによる経営学的指標への影響(1)および(2)」について審議。
委員長の指示により、事務局が倫理審査申請書の「研究計画書」を説明。本研究は中小企業において、健康経営という手法を使った場合
従業員にどのような影響を与えるかを、経産省が行っている「健康経営度調査票」に則り、調査しようというもの。調査計画としては、
中小企業10社を対象とし、対象人数150人に対して、①取り組み開始前、②取り組み1か月後、③取り組み6か月後、④取り組み1年後の
4時点で調査することとしている。調査事項としては、①プレゼンティーズム、②ワークエンゲージメント、③幸福度、④心理的安全性、
⑤ヘルスリテラシー、⑥健康診断結果への対応の6項目。①~⑤は先行研究により効果が解明されているが、健康経営によってどのよう
な影響を与えるかについては検証されていない、そこを明らかにするのが本研究の意義である、とする。なお、研究(1)は中小企業の
中でも中規模の企業を対象としたものであり、研究(2)は同じ枠組みを使って小規模の企業を対象としたもの。
以上の説明に対して、委員各位からは次のようなコメントが出された。
〇研究の内容は有意義なものと考えるが、このような調査では「個人識別情報を含む情報の保護方法」が大きい問題。「調査の過程で
得た資料は、個人が特定できないように匿名化を行い、パスワード付USBフラッシュメモリに保存。紙データとパスワード付USBメモリ
は鍵の掛かる場所に保管。匿名化の対応表はこれらの資料とは別の鍵の掛かる場所に保管する」のはもちろん重要。加えて、データの
保管期間が極めて重要であり、通常5年間と言われているので、そのことを被験者の同意を得る段階で明記しておくべき。また、保護を
施した情報を、どのように使うのかに関しても同様。
〇この調査を実施するに際して、「被験者に特に危険、不利益はないし、主宰者に苦情、問い合わせがあれば担当者に連絡するよう、
参加者に書面で伝える」としているが、書面のフォーマットが研究計画書に付いていないので、十分かどうか判断ができない。参加者
への情報提供には十分に配慮してほしい。
本研究は、上記のような指摘に十分配慮した上で実施されたい、との結論となった。
5.以上で第12回委員会は終了し、委員長から次回開催日程を諮った結果、8月27日(金)14:00~15:30虎ノ門事務所からWEB併用
で開催されることに決した。