規制のサンドボックス制度への取組み

6.規制のサンドボックス制度への取組み

(1)趣旨

 「規制のサンドボックス制度」とは、IoT、ロボット等の新たな技術の実用化や、シェアリングエコノミーなどの新たなビジネスモデルの実施が、現行規制との関係で困難である場合に、新しい技術やビジネスモデルの社会実装に向け、事業者の申請に基づき、規制官庁の認定を受けた実証を行い、実証により得られた情報やデータを用いて規制の見直しに繋げていく制度(以上首相官邸ポータルサイトより)です。
JAHIの研究会・部会が課題とする多くのテーマは「規制緩和」に関わるものであり、いわゆる「サンドボックス(子供たちの安全で安心な遊び場である砂場の意)」で、地域と時間を限定した実証を行い、問題が無ければ地域と時間の限定を外して社会実装するという方向性が、JAHIの目指すヘルスケアに関する様々な規制緩和に役立つであろうと考えます。

(2)JAHIの具体的な取組み例
1)野菜の機能性表示に係る「新技術等実証計画の認定申請」
前掲、2.日本ヘルスケア産業協議会(3)部会の活動成果例~生鮮食品の機能性表示でも取り上げました通り、平成27年の食品表示法の改正により、機能性表示食品、栄養機能食品表示等の表示ルールに、野菜を含む生鮮品が含まれるようになった結果、野菜が持つ機能性を売場で表示することが不自由となり、そのことが野菜の消費を落ち込ませ、また消費者の商品選択に当たっての情報収集を阻害するとの視点から、消費者庁等に掛け合ってQ&Aを改定してもらいましたが、「野菜で健康推進部会」ではさらに踏み込んで、野菜の機能性表示の規制緩和を「サンドボックス制度」に掛けています。
2)「移動薬局車両を用いた過疎地域における調剤モデルの実証計画の認証申請」
平成22年3月に発生した東日本大震災は医療機関に壊滅的損害をもたらしましたが、一般社団法人宮城県薬剤師会は、その時得られた知見から、ライフライン喪失下の被災地でも散剤・水剤をはじめ各種医薬品が供給(調剤)できる「災害対応医薬品供給車両」いわゆるモバイル・ファーマシーを企画・制作しました。
しかしながら、この車両は「調剤」を行う限り、薬剤師法により「薬局以外の場所で、販売又は授与の目的で調剤してはならない(薬剤師法第22条)」により活動に制約を受け、事実上、緊急時にしか活動できていません。
日本の至るところに存在する中山間地域には、医療難民とでもいうべき高齢者が多数居住しており、これらの人々に対して、平常時に医薬品を供給する体制を整備することは焦眉の急であるとの認識から、JAHIでは「在宅感染症予防部会」を中心に、サンドボックス制度の適用を働き掛けています。

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